「ふく」 のこと 2

ふく







ふく は、シッポも足も短くて
どこにいても
プーが散歩に出ると

ニャニャン〜♬と歌いながら

プーの倍ぐらい足を動かして走り寄ってくる子でした。


もつれるように
スリスリしながら
プーの前や後ろをついて歩いて
時々
イラッとしたプーに猫パンチされても
ヘッチャラ！

散歩に行くジィは

二匹連れて散歩してるって思われてる。と
苦笑していました。


車の音もわかっていて
遅くに帰ってくると玄関に走ってきて
遅い！と
うち猫より先にお駄賃オヤツを
もらうまで
文句も。







ご飯を食べている間は

どんなに 触ろうと知らんぷりなのに


食べ終わったとたん
サッと
身をかわして



「あんた 誰！？」



・・・(T . T)

・・・・・・

ずーっと。










日当たりのいいこのカゴの中がお気に入りで








ベランダから呼ぶと

面倒くさそうに ニャ！と小さく返事してくれます。











外から走って帰ってくると
勢いで
ドングリの木に登って
得意になる ふく










まる三年

庭猫だからと甘やかして
うち猫より

なんでも 優先順位が一番だった ふく。



二日と家をあけたことがないのに

突然
いなくなりました。



プーは

散歩に出ると
キョロキョロして
何度も振り返って
ふくを探すことがしばらく続きました。

プーが探さなくなった頃だったと思います。


まだ
大きな喪失感 からぬけられないワタシの夢に
ふくが
会いに来ました。

日のあたる
縁側の上り口にポツンと座って。


すこしのちに

もう一度


始めて見た日と同じ

玄関のすりガラスに オレンジ色の影で
はりついて。


目が覚めて

サヨナラに来たんだって

泣きました。



でも




きっと


ふくは


アンタ誰　！？